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『ライオンと対峙』

 シュミット氏が休暇をアフリカ探検して過ごし、帰ってきた後さっそく同僚たちに冒険の報告をした。

「まあ、想像してみてくれたまえ。
 ある晩なんか、テントの前で一服たばこを吸っているとね、突然大きなライオンが現れて、歯をむき出しにしたんだ。
 もちろんぼくはバネのように飛び上がって必死に逃げるがライオンも追ってくる。
 命がけで走ったんだがヤツはどんどん近くに迫ってくる。
 僕はついに力つきてね、運を天に任せたよ。
 そしたらどうだい、ライオンがつるりとすべってね、首の骨を折っちまったんだ」

 同僚たちはすっかり感心して話に聞き入っていた。

 一人が言った。
「実に勇敢だな。ぼくだったら恐怖のあまりに漏らしてしまったろうな」

 するとシュミット氏は威厳のある態度で言った。

「ライオンが何ですべったと思う?」
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