

『いたずら兄弟』
ある村に、いたずら好きで有名な兄弟がいた。
もし村で何か問題が起これば、いつも子の兄弟が疑われた。弟がまだ八歳で兄は十歳だった。
兄弟の母親はほとほと困り果てていたが、ある時、どんな子どもでも改心させることで有名な牧師の所へ二人を預けることにした。
牧師は兄弟を一人ずつよこすように母親に言った。
まず、弟の方が前に牧師の教会へやられることになった。やってきた弟に牧師は聞いた。
「君はキリストのことは知っているね?」
弟は口を結んだまま、何も答えようとしなかった。
牧師はなおも聞いた。
「知っているだろう?キリストはどこにいるのか言ってみなさい」
弟はうつむいたままだった。牧師は少しいらだちながらさらに続けた。
「君はキリストを知らないとでも言うのかね?そんなことはないだろう?」
弟はとうとう泣き出して、牧師の教会を飛び出してしまった。
家に戻ってきた弟は、自分の部屋に閉じこもってずっと泣いていた。その様子を見た兄が心配して弟に声をかけた。
「どうしたんだ? 何があった?」
弟は涙を流しながら言った。
「大変なことが起きたよ。一大事だ!」
「何が起きたんだ?」
弟は言った。
「キリストとかいう奴がいなくなっちゃったみたい。それで僕らがまた疑われている」


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