『弁護士の申し出』

ある日の午後、走るリムジンの後部座席、金持ち弁護士は二人の男が道端で草を食べているのに気付いた。
弁護士は運転手に命じて停車させ、様子を見に行った。

「なぜ草なんか食べてるんですか」
一人に訊いた。

「食糧を買うお金が無いんです」
その貧しい男が答えた。

「そうですか、それなら一緒に来て下さい」
弁護士は言った。

「妻と子供が二人いるんですが」

「呼んで来て下さい」
弁護士はそう答え、もう一人のほうを向いた。
「さあ、あなたも一緒に来てください」

「私には妻と子供が六人いるんですが」
もう一人の男は言った。

「呼んで来て下さい」
弁護士はそう答えると、リムジンへ向かった。

全員が車に乗り込んだが、いくらリムジンが広いとはいえ、これが一苦労だった。
車が走り出してから、貧しい男の一人が言った。
「親切に呼んで下さって、ありがとうございます」

すると弁護士は答えた。
「お礼なんかいいですよ。ウチの草は、1フィートほども伸びてるんです」
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