『施しの申し出』

 とある富豪が道を歩いていると、乞食が食べ物を恵んでくれないかとすがってきた。

「お前はタバコを吸うか?何本か分けてやるぞ」
 と富豪が言うと、
「いいえ、私はタバコは吸いません。ただ食べ物が欲しいだけです。」
 と乞食。

 次に富豪が
「お前は酒は飲むか?丁度、良いウイスキーがあるんだ」
 というと、
「いいえ、私はお酒は飲みません。ただ食べ物が欲しいだけです。」
 と乞食。

 さらに富豪が
「お前はギャンブルはするか?実は来週のレースで勝ちそうな馬を知ってるんだ」
 というと、乞食はやはり、
「いいえ、私はギャンブルは飲みません。ただ食べ物が欲しいだけです。」
 と答える。

 そこでついに富豪は
「そうか、それならどうやら私はお前を家に連れて帰った方がよさそうだな」
 そう言って、乞食を車に乗せた。

 富豪は豪勢な自宅に着くと、彼は早速乞食を妻に紹介した。
 すると妻は怒って富豪に尋ねた。
「あなた一体どういうつもりなの?その男に食べ物や服を与えて、ここに住まわせでもする気?」

 すると富豪は答えた。
「まさか。ただお前に、タバコも酒もギャンブルもやらない男がどんなものか見せてやりたくてな」

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