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『変死体』

アメリカ軍の分隊が、バグダット郊外をパトロールしていた。
すると、道路脇の溝に、一人のイラク兵が挟まっているのを見つけた。
そのイラク兵は頭から血を流していてすでに息は絶えていた。

さらに不思議なことに、その道のちょうど反対側の溝には、一人のアメリカ兵が挟まっていた。
彼も頭から血を流していたが、なんとかまだかすかに息があった。

パトロール隊の隊長が聞いた。
「いったい何があったんだ? 戦闘があったのか?」

 負傷したアメリカ兵はゆっくりとしゃべり始めた。
「実は、この辺りを警備していたのですが、いきなり、このイラク兵が現れまして。それで私は思わず叫びました。
『サダム・フセインは何もわかっていない大馬鹿野郎だ!』と」

「それで?」

「すると向こうもこう叫んできました。『ブッシュは何もわかっていない大馬鹿野郎だ!』と。
それで思わず道の真ん中で、僕らは握手をしていたわけです。ちょうどそのときに一台のトラックが走ってきて、はねられました……」
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