
『当意即妙』
その少年は、スーパーマーケットの青果部で働いていた。
男の客がやって来てレタスを半個だけ買いたいと言う。
少年はレタスの切り売りはしてないと応じたが、客は半個しか必要ないと言い張る。
そこまで言うのならと、少年は主任に伺いを立ててみることにした。
奥の部屋に行き、
「しゅに〜ん、レタスを半個だけ欲しいっていうアホな奴がいるんですけど」
そのとき、少年がサッと振り向くと、その客が真後ろに立っていた。
少年はすばやくこう付け足した。
「それで、こちらのお客様が、残りの半分を欲しいとおっしゃっています」
主任は了承し、客は帰っていった。
その後、主任が少年の所へ行った。
「さっきは、もう少しで厄介なことになるところだったな。
よく切り抜けたものだ。感心したよ。
キミは機転が利くね。それってすごく良いことだよ」
主任は続けて言った。
「君はどこの出身なの?」
少年は答えた。
「カナダです」
「ほお、そうなんだ。どうしてカナダを離れたの?」
主任は訊いた。
「あの国にいるのは娼婦とホッケーの選手だけですよ」
少年は言った。
「オレの妻はカナダ出身だぞ!」
主任が声をあげた。
「えっ、そうなんですか」
若者は言った。
「どのチームでプレーしてました?」


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