

『船長と赤いシャツ』
昔々、ある船長が外洋を航行中、船員のひとりが水平線上に一隻の海賊船を発見した。
戦闘が始まる直前、船長は叫んだ。
「俺に赤いシャツをもってこい!」
長い戦いだったが、船長と船員たちは勝利を収めることが出来た。
翌日、今度は三隻の海賊船が現れた。またしても船長は叫んだ。
「俺に赤いシャツをもってこい!」
このときも船長たちは海賊を打ち負かした。
その夜、全員が集まって休息し、傷の手当てをしているとき、航海士の一人が船長にどうして戦いになると赤いシャツを着るのかと尋ねた。
船長は静かに答えた。
「俺が赤いシャツを着るのは、負傷しても出血がわからないようにするためだ。そうすれば全員が恐れずに戦いつづけられる。」
この素晴らしい勇気の発露には誰もが感動を覚えた。
さてその翌日、三十隻もの大海賊団が出現した。
船員たちは相手の数の多さに驚いたが、それでも船長を仰ぎ見ていつもの命令が下されるのを待った。
船長は落ち着き払ってこう命令した。
「おれに茶色いズボンを持ってこい」


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