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『政治家になった理由』

 次期首相候補と政治番記者のあいだでもっぱら取り沙汰されている政治家がこう述懐する。

「幼少のみぎり、わたしは船員になりたかった。
 しかし目が悪かったので断念した。

 その後、新聞記者になろうとしたが、自分には文才がないことが分かり諦めた。

 そうして不動産関係の会社を立ち上げたが、すぐに大きな負債を抱えて破産。  わたしはなにをやっても駄目な人間、無能な人間であると自覚した。

 そしてこの時である。
 わたしが断固、政界に打って出る踏ん張りがついたのは」
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