
『善い行い』
天国にさえない風体の男がたどり着いた。
門番の天使は男の記録をざっと調べ、困った顔で言った。
「あなたは天国に入るほどの善行もしていませんが、地獄へ行くほどの悪行もしていませんね」
「はあ」
「何か、生前に善いことをされませんでしたか?」
すると男は誇らしげに答えた。
「一度だけ、女性を助けたことがあります」
「ほう」
「私がフリーウェイをドライブしていると、女性ドライバーが悪そうな奴らに囲まれて困っていました」
「それで?」
「私は車を停め、そのご婦人から手を離せ!豚野郎!と言ってやったのです」
すると天使は満足そうに頷き、記録を調べながら尋ねた。
「それは勇気ある行動ですね。いつ頃の話ですか?」
「つい5分ほど前です」


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