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『宝くじ』

 ある男が一心に祈りを捧げていた。

「神様、どうか私を助けてください。
私は商売に失敗して破産してしまいました。
このままではクルマを売らなければなりません。
どうか宝くじを当てさせてください」
 そして、宝くじの当選発表の日がやってきた。
 しかし、当選したのは別の男だった。

 一週間後、男は再び祈りを捧げていた。

「神様、どうか次こそ私を助けてください。
クルマを売りましたが、まだお金が足りないのです。
このままでは家を売らなければなりません。
どうか宝くじを当てさせてください」
 そして、宝くじの当選発表の日がやってきた。
 しかし、当選したのは別の男だった。

 また一週間後、男は三度祈りを捧げていた。

「偉大なる神様、どうか今度こそ私を助けてください。
クルマも家も売りましたが、まだお金が足りないのです。
このままでは一家心中しなければなりません。
どうか宝くじを当てさせてください」
 すると突然、天空からまばゆい光が射し込め、なにものかの声が聞こえてきた。
 それは誰であろう神様の声であった。

 神様は言った。

「おまえの願いはわかっている。
私はおまえを助けたいと思っている。
しかし、私にはできることとできないことがある。
そこでここはお互いに歩み寄ろうではないか」

「と言いますと?」

 神様は一息吐いてからこう言った。

「まず宝くじを買いたまえ」

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